ハードの進化で低価格帯モデルでも使い物になるパソコン
今から、20年から30年程前の事です。まだ国産パソコンの黎明期で、販売メーカーが異なるとお互いのソフトウェアが動作しないと言う、互換性が保たれていない時代の事です。この時代に、パソコンの販売メーカーが異なっても、共通の事項がたった一つ存在しました。それは、「ビジネスで使い物になる性能を確保する為には、売価で50万円程度のモデルを購入すると良い」と言った物です。そして時代が過ぎ去って、今から10年程前の事です。インターネットが一般に普及しだして、CPUクロックがちょうど1ギガHzを超えたか超えなかったと言った時代の頃の話。この時代の共通事項としては、使い物になる性能を確保する為には、10万円から20万円程度のモデルがお勧めと言う事でした。もちろん予算が余っているなら、さらに上位モデルの購入もお勧めです。さらに時代が過ぎ去って、昨今はどうでしょうか。下を見れば、数万円の最下位モデルでもネットワークブラウジング、表計算ソフト、ワープロ等の個人用途では充分な性能を確保できる時代になりました。上を見ると、20万円も出せば、8コア以上のコアが内蔵されているマルチコアCPU、ギガバイト単位のメモリ、高速なSSDと、日常の操作では何不自由ない高級モデルのパソコンが入手可能です。しかしその性能の代価として、犠牲になるのは消費電力です。日常生活でも、性能を追求したF1カーやスーパーカーを運転して、行きつけのスーパーに買い物に行く人は、いないでしょう。それよりも軽四自動車を運転した方が、経済的で、狭い駐車場で悩まされる事もありません。カタログスペック偏重だったパソコンの世界も、ようやくTPOをわきまえて利用する時代になった様です。